投稿日:2018-10-21 府中 朝カフェの会
8/29 第274回府中朝カフェの会は、府中市公共施設有料化反対のシェア。
本日の府中朝カフェの会は、府中市公共施設有料化反対署名運動のシェアが有りました。
・12月議会に向けて、公共施設有料化反対集会が行われ、署名運動も始まった。
・登録されている社会福祉団体の活動は、無料で公共施設を利用出来たが、今後は有料になる。
・公共施設の有料化に関しては、その決定の過程が曖昧で、住民不在のままに決まってしまった。
・12月議会に署名を提出し、有料化中止を陳情する予定。
府中朝カフェの会でも、議会・市政ウォッチングの動向を注視していきたいです。
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訊き書き 高齢者の愛と性-おとなのれんあい-
「そうよ、私って変なの。そう言って秀子は直彦の腕の中に倒れ込んだ。
結ばれた当初は毎日の様に肌を合わせた。
60歳もとうに過ぎた男と女にそれ程のエネルギーが残っていたのかと思わせる程に激しい愛欲の日が続いた。
毎日でも鋭い感覚は衰えなかった。秀子は凄惨なやつれ方をした。
目の縁に黒い隈が出来て頬もこけた。何度でも激しい恍惚が秀子の内部を稲妻の様に貫いた。
「これじゃあ、二人とも死んでしまうかもね・・。」
激しい愛撫が終わって天井を見上げながら直彦は呟いた。
「これで死ねるなら私幸せだわ。あなたは怖いの?」
凄惨な顔で秀子は言って直彦の裸体にしがみ付いた。
求め、狂って、登り詰め、果てると泥の様に眠った。直彦の居ない時は、秀子は眠っていた。
激しい愛撫の後に空腹を感じて満腹する程食べるのに太らなかった。
秀子は自分で胸を触って判る程に痩せた。不思議な事に痩せると肉の悦びが鋭くなった。
そんな愛欲の日々が二ヶ月位続いて、やっと秀子は自分を取り戻した。
愛欲の嵐は静まったが、直彦への愛は一層深まった。
何度か子供から電話があった。娘は一緒に買い物に出掛けたい様だった。娘の電話を秀子は二度断った。
子供にも孫にも興味は失われていた。秀子の関心は直彦だけに向けられた。子供の為だけに半生を過ごした。
盲目的な母の愛はどうしてしまったのか、秀子は今の自分を考えると、
とても昔の自分が信じられない気持ちだった。」
菅野国春
娼婦たちから見た日本
「その晩、私は何度も彼女を思い出し、空が白んで安宿の隣にあるモスクからアザーンが響いてきた頃に、
やっと眠りに着いた。あの時の出会いから20年近くが経った。
名前すら忘れてしまった彼女は、今頃何をしているのだろうか。
苦界から逃れ幸せに暮らしているんだろうか。
顔もはっきりと思い出せないけれど、膝の上に乗った彼女の肉感と水色のビキニは、
昨日の事の様に脳裏に浮かぶ。
タイでの娼婦との出会いから5年程が過ぎて、私は生まれ育った横浜にある黄金町でタイ人娼婦達に出会った。
そこから、日本各地はもとより、南米、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどを回った。
世間から殆ど顧みられる事の無い彼女達の生き様を聞き歩き、
そこから見える世界を紡ぎ出して見たいと思ったからだ。娼婦は日陰に生きている。
その存在から漂ってくる危うさ故に、私は彼女達を知りたくなってしまう。
旅を続けていくうちに、売春の歴史も辿る事で、
日本という国を普段とは違った角度から見られるのではないかと思った。
娼婦達は、正史の中には殆ど現れない。しかし、常に空気の様に歴史の中に存在してきたのだ。
今も私達の日常の片隅に娼婦達はいる。
彼女達、そして彼女達を取り巻く男達との物語から、私達日本人を違った角度から照射したい。
この取材の前芽は、今から20年程前のバンコクだった。」
八木澤高明
セックスボランティア
「私はその場から逃げ出したくなった。興奮している男性の性器を映像で見る事自体に抵抗があった。
しかも、このビデオでは老人で障害者である彼が自慰をしようとし、
手が動かない為に上手くいかない場面を撮られ、更に孫ほど歳の離れた男性がそれを手伝っている。
あまりに残酷なのではないか。また、隣の初対面の男性と二人きりなのも気になった。
彼はちらちらと私の反応を試す様な目つきで見ている。そんな時間がどれ位続いただろうか。
画面の向こうで老人は、最後に勢い良く射精した。白い液体が噴水の様に飛び散る。
照れた様な顔をして、満面の笑顔がアップになった。そこで初めて音声が流れる。
「ヒィー・・ハァー・・ヒィー・・」何かを話しているつもりなのだが、声にならない。
空気の音が漏れてくるだけだ。そこでテロップの説明が入る。<気持ち良い。
まだオナニーでいけるとはね。もう言葉は要らないね。
ビデオが終わると、男性障害者も私も押し黙ってしまった。
アスファルトを打つ雨の音だけが部屋の中にこだまする。
このビデオテープは美術大で映像を専攻しているある学生が2001年に卒業制作の為に撮影した。
その後、私はこの学生に会う機会が有ったのだが、痩せてひょろっとした背が高い色白の寡黙な若者だった。
「なぜこのビデオを撮ろうと思ったんですか」と私は尋ねた。
彼は「もっともらしい答えを言う事は出来る。
しかし、本当の事を話そうと思うと、どう答えていいのか分からなくなる。
何かに突き動かされたとしか言いようが無いんです。」と声を詰まらせた。」
河合香織
更に、盛り上げますよ~。